サン・ピエール修道院聖堂(読み)サン・ピエールしゅうどういんせいどう[モアサック](その他表記)Saint-Pierre, Moissac

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

サン・ピエール修道院聖堂[モアサック]
サン・ピエールしゅうどういんせいどう[モアサック]
Saint-Pierre, Moissac

フランス南西部,タルンエガロンヌ県の町モアサックのベネディクト会修道院聖堂。最初の聖堂は7世紀中葉に建立されているが,11世紀前半に破壊され,現在の聖堂はクリュニー修道院聖堂の様式を継いだロマネスク建築で,1047年頃再建が始められ,63年に献堂されている。この聖堂は建物を装飾するロマネスク彫刻によって重要。南扉口ティンパヌムには四福音書記者のシンボル,二大天使,24人の長老に囲まれた大きなキリスト像が表わされているが,『ヨハネ黙示録』から取られた 12世紀初期のこの幻想的な石造高浮彫は,ラングドック地方ロマネスク彫刻の最高傑作である。扉口中央柱には預言者や怪獣,側柱にはイザヤペテロ立像などが彫られている。また,聖堂に付属する修道院の柱には,預言者,福音書記者,使徒などの立像が彫られ,柱頭には植物や動物をはじめ,聖書や聖者伝のエピソードなどが彫られていて魅力に富む。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android