サーミ語(読み)さーみご(その他表記)Sámi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーミ語」の意味・わかりやすい解説

サーミ語
さーみご
Sámi

ウラル語族フィン・ウゴル語派に属する言語で、スカンジナビア半島の北部からロシア連邦のコラ半島にかけて住むサーミ人の言語。自称ではサーミ語だが、ラップ語Lappともいわれてきた。言語人口約4万2000(ノルウェーに2万、スウェーデンに1万7000、フィンランドに4000、ロシアに2000)。方言の数は多いが、西・南・東に大別され、格差が大きいため相互理解は困難である。サーミ語は、子音が複雑に交替する。guolli「魚が」~guoli「魚の」、boađán「私がくる」~boahtá「彼がくる」。名詞単複で6格に変化し、所有語尾をとる。動詞は単、双、複の3数で人称変化をする。nieida lohká girjji.「少女が・読んでいる・本を・彼女の」。

小泉 保]

『小泉保著『ラップ語入門』(1993・大学書林)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「サーミ語」の意味・わかりやすい解説

サーミ語【サーミご】

ラップ語とも。スカンジナビア半島北部に居住する5万から7万人のサーミ人のうち約3万〜4万人が使用する。フィンランド語近くフィン・ウゴル語派に属す。9方言に分かれ,うち最大の北方言はノルウェー,フィンランドでは地方公用語として広く用いられる。話者大部分は各国国語とサーミ語の二言語併用者。

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