単複(読み)タンプク

精選版 日本国語大辞典 「単複」の意味・読み・例文・類語

たん‐ぷく【単複】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 簡単と複雑。単純と複雑。
    1. [初出の実例]「恰も文学でワーヅワース等の自然主義とゾラ等の自然主義とに単複の差ある如く」(出典:文芸上の自然主義(1908)〈島村抱月〉四)
    2. [その他の文献]〔大方広円覚修多羅了義経略疏‐序〕
  3. 衣服で、裏をつけない単(ひとえ)と裏をつけた袷(あわせ)。〔音訓新聞字引(1876)〕 〔魏志‐管寧伝〕
  4. 単数と複数。
    1. [初出の実例]「一致とは譬へば I go, he goes の如く、西洋にては文字の単復あるが故に、その単復に依て一致せざるべからざるなり」(出典:百学連環(1870‐71頃)〈西周〉一)
  5. テニス、卓球などの試合で、シングルス(単試合)とダブルス(複試合)。
  6. 植物の花弁で、単弁と重弁。
  7. 競馬、競輪などで、単勝と複勝との併称。
    1. [初出の実例]「単複二百円の配当」(出典:競馬(1946)〈織田作之助〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android