ザーブ川(読み)ザーブがわ(その他表記)Zāb

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザーブ川」の意味・わかりやすい解説

ザーブ川
ザーブがわ
Zāb

チグリス川に注ぐ2本の支流で,北方の大ザーブ川と南方の小ザーブ川に分れる。大ザーブ川はトルコのバン湖の東,イランとの国境に沿って源を発し,トルコ南東部とイラク北部を貫流して南下し,イラクのモースルの南でチグリス川に合流する。全長 426km。小ザーブ川はイラン南西部,ウルミア湖付近に源を発し,南西流してイラクに入り,キルクークの西でチグリス川に注ぐ。全長 400km。両者とも標高差が大きく,途中にダムが造られ,洪水防止とともに,水力発電,耕地灌漑に利用されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザーブ川」の意味・わかりやすい解説

ザーブ川
ざーぶがわ
Rūd-e Zāb

イラン西部、アゼルバイジャン州南西部の川。全長約320キロメートル。クルディスターン山脈に源を発し、ザーグロス山脈を横断してイラクに至り、ティグリス川に注ぐ。750年、ウマイヤ朝打倒に立ち上がったアブル・アッバース軍は、この川の左岸でウマイヤ朝のマルワーン2世軍と対戦して勝利し、アッバース朝成立を確実なものとした。

[香川優子]

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