日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェアデ」の意味・わかりやすい解説
シェアデ
しぇあで
Georges Schehadé
(1910―1989)
レバノン国籍のフランス語作家。エジプト、アレクサンドリア生まれ。パリで法律を学ぶかたわら、ブルトンやシュペルビエルなどと親交を結び、1938年サン・ジョン・ペルスの仲介で処女詩集を刊行。詩集2巻のほか、劇作に専念し、51年ジョルジュ・ビタリの演出で『ボブル氏』がパリのユシェット座で初演された。その後『箴言(しんげん)の夜』(54年ジャン・ルイ・バロー演出)、『すみれ』(1960)、『ブリスベーンの移民』(1965)などがある。夢と神秘にあふれた幻想的な文体で、イヨネスコ、ベケットなどとともに50年代を代表する劇詩人と目された。
[利光哲夫]