シカゴパイル(その他表記)Chicago pile

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シカゴパイル」の意味・わかりやすい解説

シカゴパイル
Chicago pile

1942年に,E.フェルミ指導アメリカのシカゴ大学構内に建設された世界最初の原子炉略称は CP-1。天然ウランからの中性子を減速する黒鉛ブロックを順次積み重ねた pile 構造なのでパイルと呼ばれた。冷却空気を循環させて行なった。 1942年 12月2日,核連鎖反応を起こす臨界に達することに成功,人類に核エネルギー使用の道を開いた。現在からみるとそれは,原子炉というよりはむしろ臨界集合体であった。

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世界大百科事典(旧版)内のシカゴパイルの言及

【核兵器】より

…これらの方法により45年までには爆発に十分な235Uを製造した。一方,239Puに関しては原子炉によって生産することが考えられ,42年12月2日シカゴ・パイルと呼ばれる世界最初の原子炉がシカゴ大学で連鎖反応を開始した。この成功をもとに,オーク・リッジにパイロットプラントが,さらに大量の239Puを生産するための原子炉がワシントン州ハンフォードに建設され,44年に生産を開始した。…

【原子力】より

…フェルミらの設計した原子炉は,黒鉛のブロックを煉瓦状に積み上げ,そのところどころに穴をつくって天然ウランを入れておくというものであった。その構造からシカゴパイル1(CP1)とよばれたこの装置(原子炉)は,1942年12月2日,見事,臨界に達した。臨界とは,装置の中で,中性子の数が増えることも減ることもなく一定に保たれていることを意味する。…

※「シカゴパイル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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