臨界集合体(読み)リンカイシュウゴウタイ

化学辞典 第2版 「臨界集合体」の解説

臨界集合体
リンカイシュウゴウタイ
critical assembly

臨界実験装置ともいう.特定原子炉を模して,核分裂連鎖反応臨界に達しないように,核燃料減速材を集めた実験装置.これによっていろいろな核的データ,臨界質量,反応度の温度係数中性子束分布,制御棒の効果などを研究することができる.法律上は原子炉の一種である.熱出力が小さいため,冷却材を必要としないのが普通である.核燃料,減速材などの構成を自由にかえることができるので,各種原子炉の核特性の研究に用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臨界集合体」の意味・わかりやすい解説

臨界集合体
りんかいしゅうごうたい
critical assembly

原子炉物理の研究や核データの精度評価を行なう目的でつくられる実験装置。安定臨界状態を維持できなければならない点は原子炉と同じであるが,ほとんど出力しないので,原子炉より構造がはるかに単純で,燃料配置などを容易に組み替えて実験が行なえる。日本には,京都大学原子炉実験所の京都大学臨界集合体実験装置 KUCA (Kyoto University Critical Assembly) がある。

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