シス‐ジャスモン(読み)しすじゃすもんでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シス‐ジャスモン」の意味・わかりやすい解説

シス‐ジャスモン(データノート)
しすじゃすもんでーたのーと

シスジャスモン
分子式C11H16O
分子量164.25
融点
沸点248℃
比重0.9437(測定温度22℃)
屈折率(n) 1.4979

シス‐ジャスモン
しすじゃすもん
cis-jasmon

ジャスミン花精油中に3%含有され、ネロリ油、日本産はっか油、紅茶中にも存在する。天然ジャスミン油を分留して得られる。最近は工業的に合成されている。シス‐ジャスモンはジャスミン香をもつ淡黄色の液体であるが、天然の花香とはかなり趣(おもむき)の異なる香気を有している。天然ジャスミン油に近い香気はシス‐ジャスモンが有しており、異性体であるトランス‐ジャスモンは弱い花香を示す程度である。フルーティー、フローラル調の調合香料に広く用いられる。

[佐藤菊正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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