改訂新版 世界大百科事典 「ジャスミン油」の意味・わかりやすい解説
ジャスミン油 (ジャスミンゆ)
jasmine oil
ジャスミンの一種,オオバナソケイの花から得られる芳香油。花を石油エーテルで抽出するか(収量0.02%),脂肪油で抽出して得たポマード(収量0.4~0.6%)をアルコールで再抽出し,水蒸気蒸留で精製する。ジャスミン油は酢酸ベンジル(65%),d-リナロール(15.5%),ジャスモン,インドール,酢酸リナロール,ネロール,ベンジルアルコール,ゲラニオールなどからなる。芳香の主体はジャスモンjasmoneで5員環の不飽和ケトンである。
おもに南フランス,イタリア,エジプト,モロッコで生産され,ジャスミン系化粧品香料,食品香料に利用されている。なおジャスミン油を抽出している植物には,同じソケイ属Jasminumのソケイ,マツリカなどがある。
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報