日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャッタル・アラブ川」の意味・わかりやすい解説
シャッタル・アラブ川
しゃったるあらぶがわ
Shattal Arab
ティグリス川とユーフラテス川が合流したのち、ペルシア湾に流入するまでの河川名。全長190キロメートル。上流部はイラク領内を通過するが、下流部はイラン・イラク国境を形づくっている。「アラブの川」の意であるが、イランはこの名を嫌ってアルバンドArvand川とよぶ。流域はナツメヤシの大産地で、沼沢地も多い。可航河川で、沿岸にバスラ(イラク)、フニーンシャフル、アバダーン(イラン)の港町がある。国境線を川の東岸線と中央線のいずれにするかが、イラン・イラク戦争の一因となった。ザーグロス山脈から流れ下るカールーン川を支流にもつ。
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