ショトーカ運動(読み)ショトーカうんどう(その他表記)Chautauqua Movement

改訂新版 世界大百科事典 「ショトーカ運動」の意味・わかりやすい解説

ショトーカ運動 (ショトーカうんどう)
Chautauqua Movement

1874年,アメリカのニューヨーク州ショトーカで始まった成人教育運動。19世紀前半に始まったライシーアム運動に似た運動で,ジョン・ビンセント牧師(1832-1920)の提唱のもとに,メソディスト・エピスコパル派の夏期日曜学校が発展し,成人教育向けに講演会,音楽会,演劇などが毎夏催された。のちにはウィリアム・ハーパー(のちシカゴ大学学長)の教育計画により,外出できない人を対象とする家庭学習計画も実行され,講師が派遣された。1880年から1914年まで,雑誌《ショトーカ》が発行され,地方に住む人の啓蒙に役だち,1900年から始まった各地への巡業により,草の根文化運動となり,農村を都会の文化に結びつけた功績は大きい。のちにサーカスのような娯楽性が強まり,1910年代になるとラジオ,映画が浸透してきたため衰退したが,成人教育は発祥の地で現在も行われている。信仰復興運動と畜産共進会の要素も兼ね備えた運動であった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のショトーカ運動の言及

【巡回講演】より

…この頃から文学的コメディアンliterary comedianと呼ばれる人たちのユーモア講演もはやり,ビリングズJosh Billings,ナズビーPetroleum V.Nasby,ウォードArtemus Wardなどが活躍,その大立者のマーク・トウェーンは国民的ヒーローとなった。プロの巡回講演はしだいに衰えたが,74年に発足したショトーカ運動と呼ばれる文化運動によって,その〈教育〉的な面を受け継がれたともいえる。不特定多数の聴衆に直接的に訴える講演は,独特の親しみやすさをもつ表現法を育て,アメリカ人の精神形成にも大きな役割を果たしてきた。…

※「ショトーカ運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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