シルベストル・ボナールの罪(読み)しるべすとるぼなーるのつみ(その他表記)Le Crime de Sylvestre Bonnard

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シルベストル・ボナールの罪
しるべすとるぼなーるのつみ
Le Crime de Sylvestre Bonnard

フランスの作家アナトール・フランスの長編小説。1881年刊。2部からなる。第1部「たきぎ」――愛書家の老学者ボナールは貴重な写本『黄金伝説』を求めてシチリアに行くがみつからず、パリの競売市場でも買い損なう。そこへスミレ花束とともにその写本が送り届けられる。贈り主はシチリアの旅で知り合い写本のことを話したロシアの公爵夫人で、彼女はかつて彼が薪(たきぎ)を恵んだことのある貧しい女性であった。第2部「ジャンヌ・アレクサンドル」――ボナールは、若き日の悲恋の対象の女の孫娘が不幸な境遇にあるのを知って後見人となり、愛弟子と結婚させようとして、持参金を与えるために蔵書の売却を決心する。しかし書物への愛着に負けて、そのなかから貴重なあの写本を抜き出して隠す。それが彼の生涯のただ一つの罪であったという、愛書家フランスの面目躍如たる小説。アカデミー大賞受賞。

[大塚幸男]

『伊吹武彦訳『シルヴェストル・ボナールの罪』(岩波文庫)』

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