改訂新版 世界大百科事典 「ジゴペタルム」の意味・わかりやすい解説
ジゴペタルム
Zygopetalum
ラン科の常緑のラン。ジゴペタルム属は20種ほどが南アメリカの熱帯域に分布し,着生,半着生,地生など生活形はさまざまである。卵状の偽球茎をもち,数枚の細長い葉を出す。花茎は新芽の葉腋(ようえき)より発生し,長さ40~50cmで,花を4~6輪くらいつける。花は唇弁が扇状に大きく発達し,芳香がする。日本で栽培されるものにジゴペタルム・マッカイZ.mackayi Hook.がある。花弁は黄緑色で紫色の斑紋があり,唇弁は白色で青紫色の点あるいは線状の斑紋がある。
越冬には10℃は必要である。5℃では葉が落ち,それ以下では枯れる。生育期は春から秋までの間で,この間は戸外に出し,寒冷紗下に置き,水と肥料を与えて大きく育てる。ふやすのは株分けにより,3~4月が適期である。植付けには水苔,軽石などを用い,土は使わない。
執筆者:江尻 光一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報