ジャーゲン(その他表記)Jurgen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャーゲン」の意味・わかりやすい解説

ジャーゲン
Jurgen

アメリカの作家ジェームズ・ブランチ・キャベル小説。 1919年刊。中世の架空の地方ポアテムを背景にした連作の一つ。質屋主人である中年男ジャーゲンは,口やかましい妻が悪魔にさらわれて突然姿を消すと,いやいやながら妻を捜しに出る。天国地獄をさまよううちに昔の恋人や神話伝説上の女性に会ってさまざまな冒険をするが,最後に美女を捨てて妻を取返し,再びもとの中年男の生活に戻る,という物語。皮肉と幻想のうちに現代社会を鋭く批判したこの作品は,風俗を乱すとして裁判沙汰になり,広く話題を呼んだ。

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世界大百科事典(旧版)内のジャーゲンの言及

【キャベル】より

…それが力となって全18巻のファンタジー的架空年代記《マニュエル伝》を著した。その中の一巻《ジャーゲン》(1919)は発売当初みだらな書物として発売禁止となり,キャベルの名を広く世に知らしめた。中世の架空の国を舞台に,もと詩人で今は質屋のジャーゲンが,ある日ふとしたことで悪魔に同情を示し,悪魔はお礼として恐妻家ジャーゲンの妻の存在を消してくれ,ジャーゲンは1年間夢の女性遍歴に出るが,結局は悪魔に頼んでもとの妻を返してもらうというロマンスである。…

※「ジャーゲン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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