ジュール=トムソンの法則(読み)ジュール=トムソンのほうそく(その他表記)Joule- Thomson's law

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ジュール=トムソンの法則
ジュール=トムソンのほうそく
Joule- Thomson's law

理想気体内部エネルギー体積には依存せず,温度だけの関数であるという法則。 J.P.ジュールが 1845年に実験により得たものである。ジュールの実験では,外部からの熱を断った状態で,1つの容器に入った気体を他の真空の容器の中に自由膨張させて温度変化を測定したが,いろいろな気体をいろいろな圧力で容器に入れても,常に温度変化はみられなかった。しかし,より精度の高いジュール=トムソンの実験によると,ジュール=トムソンの法則は実在の気体に対しては成り立たず,理想気体の特性の1つと考えられている。また,理想気体 1kmolについての内部エネルギー U は,定積比熱 (1kmolあたり) Cv を用いると,UCvT ( T絶対温度 ) で与えられる。この式はジュール=トムソンの法則を数式で示したものである。言い換えると,理想気体の内部エネルギーは絶対温度に比例する。

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法則の辞典 の解説

ジュール‐トムソンの法則【Joule-Thomson's law】

「気体の内部エネルギーは,温度のみの関数で体積には無関係である」という法則.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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