最新 地学事典 「スカエルガード貫入岩体」の解説
スカエルガードかんにゅうがんたい
スカエルガード貫入岩 体
Skaergaard intrusion
グリーンランド東部のスカエルガード半島にある層状斑れい岩体。軸が45°Sに傾いた漏斗状で,露出面積60km2,層状部の露出する厚さ3km弱。先カンブリア時代の片麻岩と白亜系の堆積岩および下部始新統の台地玄武岩を貫く。同位体年代は約55Ma。岩体の周縁と上部に周縁相(うち30mは急冷細粒斑れい岩)があり,これに包まれて層状部が発達して下・中・上帯に分けられる。リズミック・レーアリング,クリプティック・レーアリング,火成ラミネーション(igneous lamination;マグマの流動により板状鉱物が定向配列する葉状構造)が発達。層状部の下帯はかんらん石斑れい岩,中帯はかんらん石を欠く斑れい岩,上帯はフェロ斑れい岩からなる。上帯には石英フェロ斑れい岩もあり,トリディマイトの形を保った石英を含む。そして末期分化物がグラノフィアーとして上部に注入する。親マグマの組成は急冷細粒斑れい岩で代表され,分化経路は極端に鉄が残液に濃集するタイプ。ただし,グラノフィアーのSr同位体比初生値は斑れい岩より高く,周囲の片麻岩が混入した可能性もある。この岩体は分化岩体の代表的な例として数多くの研究がある。参考文献:L.R. Wager et al.(1939) Medd.om Grønland Vol. 105: 1
執筆者:端山 好和・亀井 淳志
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

