スクラッバー(その他表記)scrubber

翻訳|scrubber

改訂新版 世界大百科事典 「スクラッバー」の意味・わかりやすい解説

スクラッバー
scrubber

気体中に浮遊する固体または液体微粒子や気体中に含有されている気体状の不要成分または有害成分を液中に捕捉(ほそく)する装置。通常,洗浄液には水が用いられるが,水以外の液体または水に界面活性剤などを添加した液も用いられる。固体または液体の微粒子を洗浄捕捉する場合,装置は一種の集塵装置で,洗浄集塵装置とよばれる。微粒子は液滴または液膜により捕捉される。高圧水を噴射するジェット・スクラッバー,サイクロン内部に多数の噴霧ノズルを設けたサイクロン・スクラッバー,棚段塔形式のピーボディ・スクラッバー,回転羽根の中心に含塵気体と液体とを導くタイゼン・ワッシャー,サイクロン内部にベンチュリ管を組み込んだサイクロン・スクラッバーなど各種の型式のものがあり,ほかに,噴霧塔(スプレー塔),充てん塔も使われる。これらの微粒子に対する捕集性能は型式によって異なるが,一般に乾式の集塵装置よりも高性能である。気体中の成分を液体中に溶解除去する場合には,スクラッバーは吸収装置であり,液分散型吸収装置とガス分散型吸収装置とがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「スクラッバー」の解説

スクラッバー
スクラッバー
scrubber

洗浄集じん,すなわち,気体中に浮遊する固体粉じん,あるいは液体の微粒子を液滴または液膜により洗浄・除去するのに用いられる装置をいう.液体としては水を使用することが多い.この装置内では,液滴と粒子の衝突,粒子の拡散,増湿による粒子の静電力の変化,粒子が核となって生じる凝縮,粒子のぬれなどの機構が複雑に組み合わさって起こっている.1~5 μm 程度までの粒子を捕集できるが,工業的には,ほかのダストあるいはミスト捕集装置と組み合わせて用いられることも多い.スクラッバーの代表的な形式としては,噴霧室中に含じんガスを通す噴霧塔,水をノズルより高圧噴射し,それにより含じんガスを吸い込むジェットスクラッバー,ベンチュリ管を用いるベンチュリスクラッバー,サイクロン内に噴霧ノズルを並べたサイクロンスクラッバーなどがあるが,どれもみな液体を用いているため,粉じんは湿った状態で捕集される.また,混合ガス中の不用ガス成分を液体で洗浄除去する吸収装置もスクラッバーという.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スクラッバー」の意味・わかりやすい解説

スクラッバー
すくらっばー

集塵装置

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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