ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベンチュリ管」の意味・わかりやすい解説
ベンチュリ管
ベンチュリかん
Venturi tube

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管内を流れる流体の流量を測定するのに用いられる計器。図に示したように管の途中を細くし再び徐々に拡大させた形状をしている。最初イタリアのベントゥーリG.B.Venturiにより考案されたことからこの名があるが,流量測定計器として実用化したのはアメリカのC.ハーシェルである(1887ころ)。管の径に等しい断面積A1のところの圧力p1と,細い部分(面積A2)の圧力p2の差を測定すると,ベルヌーイの定理から次式で流量Qが求まる。
ただし,ここでρは流体の密度,Cは流量係数と呼ばれる補正係数で通常はほとんど1に近いと考えてよい。ベンチュリ管の断面積は急に狭めてもよいが,広がり部は損失が大きくなるので角度を小さくする(約6度)。オリフィスやノズルに比較して損失が小さいという特徴をもっており,上水道などの大流量を測定するときによく用いられる。
執筆者:豊倉 富太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
図のようなしぼりを有する管で,左方より流体を流すと,圧力は断面がしぼられるに従って減少し,最小断面でもっとも低く,断面が広がるに従ってほぼはじめの値にまで回復する.この管をベンチュリ管とよび,管の壁に孔をあけて,圧力差 pl - pm を測れば,平均流速 ul を求めることができる(ベンチュリ流量計).また,最小断面で低圧になる性質を利用して,ジェットポンプ(エジェクター),スクラッバーなどに利用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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