日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スクリューボール・コメディ
すくりゅーぼーるこめでぃ
screwball comedy
コメディ・ジャンルの一つ。1930年代なかばから1940年代前半にかけてハリウッドで盛んにつくられた。「スクリューボール」とは「変わり者」の意。スクリューボールな男女の破天荒な行動が大騒ぎを巻き起こすもので、基本は男女が最後に結ばれるロマンティック・コメディ。作品によって社会風刺的性格が強いものもあれば、アナーキーでナンセンスな笑いが主眼になっているものもある。1934年につくられた『或(あ)る夜の出来事』『特急二十世紀』『影なき男』の3本がジャンルの発生を促したといわれている。代表的作品は『オペラ・ハット』(1936)、『襤褸(つづれ)と宝石』(1936)、『新婚道中記』(1937)、『神聖なるものなし』(1937)、『赤ちゃん教育』(1938)、『レディ・イヴ』(1941)など。監督ではフランク・キャプラ、ハワード・ホークス、プレストン・スタージェスらがこのジャンルを得意とした。
[宮本高晴]