スタハノフ運動(読み)スタハノフウンドウ

デジタル大辞泉 「スタハノフ運動」の意味・読み・例文・類語

スタハノフ‐うんどう【スタハノフ運動】

ソ連で行われた労働生産性向上運動。1935年、ドネツ炭田の炭鉱労働者スタハノフが、採炭技術の改善によってノルマの14倍という驚異的記録を出したことにちなんで名づけられた。

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精選版 日本国語大辞典 「スタハノフ運動」の意味・読み・例文・類語

スタハノフ‐うんどう【スタハノフ運動】

  1. ( スタハノフはStahanov ) ソ連の労働生産性向上運動。一九三五年、炭坑夫スタハノフが新しい技術を導入して通常採炭量(ノルマ)の一四倍の採炭に成功したことが契機となって展開された。この結果、生産高ノルマの引き上げ、競争による賃金格差増大、労働強化などの諸問題が生じた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタハノフ運動」の意味・わかりやすい解説

スタハノフ運動
すたはのふうんどう

1930年代なかば、第二次五か年計画期のソ連で展開された労働生産性向上運動。ドネツ炭鉱の採炭夫アレクセイ・スタハノフАлексей Григорьевич Стаханов/Aleksey Grigor'evich Stahanov(1906―77)にちなんで名づけられた。スタハノフは1935年8月31日、一交替でノルマの14倍にあたる102トンを採炭するという記録をあげた。全国の労働者に対し、彼を見習うようにとのキャンペーンが展開され、高い記録をあげた労働者は「スタハノフ労働者」とよばれて高い賃金を支払われた。この運動により、高賃金を目ざす労働者相互の競争が促進されるとともに、職場内に競争の勝者敗者との賃金格差、熟練度に基づく序列化が固定化されるようになった。

[原 暉之]

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