スベシュタリのトラキア人墳墓(読み)スベシュタリのトラキアじんふんぼ(英語表記)Thracian Tomb of Sveshtari

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

スベシュタリのトラキア人墳墓
スベシュタリのトラキアじんふんぼ
Thracian Tomb of Sveshtari

ブルガリア北部ラズグラド州スベシュタリで 1982年に発掘されたトラキア王の墓所。前3世紀頃,当時この地を支配していたトラキア王が生前造営を命じた墳墓で,墓所の入口石灰岩で閉ざされ,盛り土をして小さな丘となっていた。そのため玄室につながる羨道 (ドロモス) とその突き当たりにある玄室,手前にある小部屋二つが盗掘されずに残っていた。玄室には王と殉死した王妃石棺が並べて安置されており,壁面にはそれを見守るように 10体の女性立像が取り付けられているほか,壁面上部には,女神に祝福される王を描いたフレスコ画も残る。トラキア文化と宗教を解明するうえで貴重な資料となっている。 1985年世界遺産の文化遺産に登録。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android