スライドギター(その他表記)slide guitar

改訂新版 世界大百科事典 「スライドギター」の意味・わかりやすい解説

スライド・ギター
slide guitar

ギター奏法の一種。弦を左手指でフレットに押しつけるかわりに,鉄製の太い棒,もしくは円筒状のものを弦上に滑らせて,ポルタメントの音を出す奏法。また,その奏法にあったタイプのギターの種類を呼ぶこともある。代表的なものにハワイアン・ミュージックのスチール・ギターがあり,アメリカ本土ではカントリー・ミュージックにスチール・ギターが使われる。このほか,ブルーグラスなど古い型のカントリー・ミュージックではドブロ・ギターDobro guitarと呼ばれる共鳴装置付きのアコースティック・ギターを首から水平につるし,スライド奏法で演奏する。これに対し,アメリカ南部の黒人ブルースでは,ギターは普通と同じく斜めに支え,左手の薬指などに瓶の首の部分もしくは鉄製の管をはめてそれを弦に当てるボトルネックbottle-neck奏法が行われ,この奏法は1960年代末からロックに取り入れられて,エレキ・ギター(エレクトリック・ギター)の重要な奏法の一つとなっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 中村

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android