スライド(読み)すらいど(英語表記)slide

翻訳|slide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スライド」の意味・わかりやすい解説

スライド
すらいど
slide

教室や会議室などで、多人数を対象としてディスプレーされるポジフィルムフィルムの大きさは35ミリ判、4×4センチ判、6×6センチ判、6×7センチ判などがあり、ガラス板または紙枠にマウントされている。長巻きスライドといわれるものは35ミリフィルムそのもので、巻軸に巻き込んだまま使用される。

 スライドを映写する映写機は、古くは幻灯機といわれたが、現在はスライド映写機とよばれ、簡便な小型機から、自動こま送り・音声同調装置をもった高級機まで種類が多い。リモート・コントロールによって、こま送りや焦点調節、テープレコーダーとの連動が可能な映写機を用いると、教師や指導者はスクリーン黒板を併用し、より効果的な説明に用いることができる。

 視聴覚教材のなかでは、とくに視聴覚センター・ライブラリーをはじめとする社会教育施設、学校教育、家庭教育の場で、スライドの利用度は高い。しかし、高密度の撮影が可能なデジタルカメラと、パーソナルコンピュータおよび大型プロジェクターの普及に伴い、少しずつではあるが、暗幕をしなければ使えないスライドの活用が隅に押しやられている傾向もある。なお、プレゼンテーション用パソコンソフトの質が向上したことで実際の利用も増え、「スライド」といった場合にはそうしたソフトの「一画面」をさす意味にも使われるので注意が必要である。

[篠原文陽児]

『日本視聴覚教具連合会編・刊『視聴覚機器ガイドブック』各年版』『西沢利治著『マルチメディア・プロダクション・ガイド』(1991・ぎょうせい)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スライド」の意味・わかりやすい解説

スライド
slide

映写用の透明陽画。一般にマウントと呼ぶ厚紙の枠にはさんで使用する。マウントの大きさは,35ミリ判フィルムでは2インチ (5.08cm) 角を国際基準としており,ほかに 6cm× 7cm判,4cm× 4cm判などがある。なお,教育,宣伝用にはストリップ・フィルムと呼ばれるマウントなしの長巻フィルムに,数十コマを連続して焼付けたものもある。

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