日本大百科全書(ニッポニカ) 「セイヨウマツムシソウ」の意味・わかりやすい解説
セイヨウマツムシソウ
せいようまつむしそう / 西洋松虫草
[学] Scabiosa atropurpurea Desf.
マツムシソウ科(APG分類:スイカズラ科)の一年草。南ヨーロッパ原産。茎は直立性で分枝し、高さ60~80センチメートル。葉は羽裂する。7~8月、やや球状の頭状花をつける。周辺部の花は花弁が大きく、中心部の花は花弁が小さい。しかし、改良された八重咲き種は中心部の花も花弁が大きくなっている。満開時に球形となり、長い柱頭が立って針山にピンを刺したようにみえるので、ピンクッション・フラワーpincushion flowerともいう。また、かすかな芳香があるので、スイート・スカビオスsweet scabiousともよばれる。花壇や切り花用に適した植物で、種子は外果皮を取り去って播(ま)くと、よく発芽する。酸性土ではよく育たないので、酸性土には石灰を散布することを忘れてはならない。
[山口美智子 2021年12月14日]