スイカズラ科(読み)スイカズラか(その他表記)Caprifoliaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スイカズラ科」の意味・わかりやすい解説

スイカズラ科
スイカズラか
Caprifoliaceae

双子葉植物マツムシソウ目の1科。北半球を中心として世界に広く分布し,約 18属 450種が知られる。落葉または常緑性の木本,あるいは多年生の草本で,つるになるものもある。葉は対生し,単葉が多いが,複葉もまれにある。花は集散状,散房状,総状などにつき,両性,3~5数性で,放射相称または左右相称になる。花冠は鐘状や二唇形になり,内側基部に蜜腺をもつことが多い。おしべは4~5本で,花糸の基部が花筒に付着する。めしべは1本の花柱をもち,子房は花冠より下位で,液果蒴果核果などの果実になる。ツクバネウツギ Abeliaスイカズラ Lonicera,ガマズミ Viburnumなどの諸属があり,しばしば観賞用に栽培される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スイカズラ科」の意味・わかりやすい解説

スイカズラ科
すいかずらか
[学] Caprifoliaceae

双子葉植物、合弁花類。多くは木であるが、まれに草もある。葉は対生し単葉であるが、まれに複葉のもの(ニワトコ属)もある。托葉(たくよう)がなく、合弁花冠で子房が下位であることによりレンプクソウ科などと区別される。花や果実が美しく、庭木サンゴジュハコネウツギアベリアなど)とされ、薬用(ソクズ、スイカズラなど)ともする。また、ニワトコの茎の髄は、ピスとして顕微鏡用切片をつくるのに用いられる。15属約400種あり、おもに北半球の温帯に生育するが、熱帯の高地や、南アメリカ、オーストラリアなどにも分布する。

[福岡誠行 2021年12月14日]

 APG分類でもスイカズラ科とされる。かつて含まれていたガマズミ属とニワトコ属などはガマズミ科に移された。また、オミナエシ科マツムシソウ科の種がスイカズラ科に移されて、二つの科はなくなった。この分類によると世界に約35属810種あり、日本には11属51種が分布する。

[編集部 2021年12月14日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のスイカズラ科の言及

【スイカズラ(忍冬)】より

…山野に多いスイカズラ科のつる性低木(イラスト)。花冠の奥にみつがあり,吸うと甘いためこの名があり,また冬でも葉の一部が残るため忍冬(にんどう)ともいう。…

※「スイカズラ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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