知恵蔵 「セカイ系」の解説
セカイ系
セカイ系の代表的な作品は、1995年に放送されたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」であり、セカイ系という言葉を生み出すきっかけとなったともされている。その他、漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」で、2000年から2年近く連載された、高橋しんのマンガ『最終兵器彼女』や、電撃文庫のライトノベルで、秋山瑞人著の『イリヤの空、UFOの夏』、東京国際アニメフェア21公募部門で優秀賞、文化庁メディア芸術祭のデジタルアート部門特別賞などに輝いた、新海誠の個人制作アニメーション「ほしのこえ」などが、セカイ系の代表的な作品と言われている。
「ほしのこえ」では、同じ高校に行きたいと願う、中学3年生男女の淡い恋心を描いているのだが、少女が、異生命体の脅威に立ち向かう国連宇宙軍のロボットに乗るメンバーに選ばれ、何光年も離れた場所で異生命体と戦うことになる。
この物語は、離ればなれで、なかなか連絡の取れない2人のやりとりと心境が中心に描かれているが、なぜ普通の中学3年生の少女が、どのような経緯で、国連宇宙軍に選ばれることになったのか、家族や彼女の周辺の状況はどうだったのか、などといった点については、全く触れられていない。
(横田一輝 ICTディレクター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報