セザール賞(読み)セザールショウ(その他表記)César du Cinéma Français

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セザール賞」の意味・わかりやすい解説

セザール賞
せざーるしょう
César du Cinéma Français

フランスのアカデミー賞に相当する映画賞。映画の振興を目的として設立された映画芸術技術アカデミーにより授与される。映画芸術技術アカデミーは、各分野の映画人および著名人を会員とし、会員たちの投票でセザール賞を決定する。1976年に第1回目の授賞式が開催された。選考の対象となるのは、前年にフランスで公開された作品およびそのスタッフで、作品賞や監督賞、男・女優賞ほか、各技術部門の最優秀賞、短編アニメーションドキュメンタリーの最優秀賞、新人賞、外国映画賞などの賞がある。また、国際的に名高い映画人に対して栄誉賞が授与される。1981年(昭和56)には『影武者』(黒澤明(くろさわあきら)監督、1980年)が最優秀外国語映画賞を受賞。また、フランス在住の撮影監督永田鉄男(ながたてつお)(1952― )は、2002年(平成14)に『将校たちの部屋』(2001)で、2008年に『エディットピアフ 愛の讃歌』(2007)で2度最優秀撮影賞を受賞している。

[伊津野知多]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「セザール賞」の解説

セザール賞

フランスの映画賞。米国のアカデミー賞にならって創設され、1976年に第1回目の授賞式が開催された。以来、映画芸術技術アカデミーの会員が選出を行い、毎年2月に授与されている。対象となるのは前年にフランスで公開された映画で、作品、監督、男優、女優、各技術部門のほか、アニメーション、ドキュメンタリー、外国映画などに個別の賞が設けられている。日本の作品では、81年に黒澤明(1910年-98年)監督の「影武者」が、2019年に是枝裕和監督の「万引き家族」が、それぞれ外国映画賞を受賞。このほか、フランス在住の撮影監督・永田鉄男が02年に「将校たちの部屋」、08年に「エディット・ピアフ 愛の讃歌」で2度にわたり撮影賞を受賞している。

(2019-2-26)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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