セルベト(読み)せるべと(その他表記)Miguel Serveto

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セルベト」の意味・わかりやすい解説

セルベト
せるべと
Miguel Serveto
(1511―1553)

スペイン人の神学者、医学者。ラテン語ではセルベトゥスMichael Servetus。ムーア人とユダヤ人を回心させることに興味をもったが、それが三位(さんみ)一体論によって妨げられているという考えから、急進的な神学を唱え、正統的な神学者から厳しい批判を受けた。一時は医学に興味を移して、血液などを研究、また地理学や占星術にも関心を寄せたが、ふたたび神学に戻って三位一体論を否定したため、カトリック側の告発を受け、ウィーンとフランスで審問のうえ、異端を宣告された。逃亡するが捕らえられ、カルバンの主張によりジュネーブプロテスタントの裁判にかけられ、火あぶりの刑に処せられた。この刑執行は、宗教上の寛容について物議を醸すこととなった。

[大谷啓治 2018年1月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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