化学辞典 第2版 「セルロースエーテル」の解説
セルロースエーテル
セルロースエーテル
cellulose ether
セルロースのヒドロキシ基をエーテル化したセルロース誘導体の総称.アルカリセルロースまたはセルロースを濃アルカリに浸漬した溶液に,ハロゲン化アルキル,硫酸アルキル,酸化アルキルなど,各種のエーテル化剤を作用させると得られる.おもなものに,メチルセルロース,エチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ベンジルセルロース,トリチルセルロース,シアノエチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,カルボキシエチルセルロース,アミノエチルセルロースなどがある.原料セルロースの性状,アルカリの種類,濃度,溶媒の種類などの反応条件によって反応生成物の置換度(グルコース単位当たり3個あるヒドリキシ基のうち,エーテル化されたものの数)が異なり,置換基の種類,置換度,置換基の分布などによって,セルロースエーテルの性質が異なる.酸,アルカリに対してはセルロースエステルよりも比較的安定で,耐光性,耐燃性がある.また,溶解性は低置換度のものはアルカリに膨潤,溶解する傾向があるが,置換度が高くなるにつれて,置換基の性質が大きく反映してくる.おもな用途は,置換基の種類によって異なるが,塗料,プラスチックなど,とくに水溶性のものは,糊料,乳化安定剤,界面活性剤,食品添加剤などがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報