日本大百科全書(ニッポニカ) 「エチルセルロース」の意味・わかりやすい解説
エチルセルロース
えちるせるろーす
ethyl cellulose
エチル繊維素ともいう。セルロースのヒドロキシ基-OHをエチルエーテル化したセルロースエーテルのことをいう。無臭の白色固体。セルロースに水酸化ナトリウム溶液を作用させて得たアルカリセルロースに、不均一のまま硫酸ジエチル、クロロエタンなどのエチル化剤を反応させると得られる。
エチルエーテル化される度合い(置換度)により性質の異なるものができる。置換度が大きくなるほど、有機溶媒に溶けやすくなる。耐水、耐光、耐薬品など安定性に優れているため、ヘルメット、工具の柄(え)、ラッカー、インク、フィルムなどに用いられる。
[谷利陸平]