エチルセルロース(読み)えちるせるろーす(英語表記)ethyl cellulose

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エチルセルロース」の意味・わかりやすい解説

エチルセルロース
えちるせるろーす
ethyl cellulose

エチル繊維素ともいう。セルロースのヒドロキシ基-OHをエチルエーテル化したセルロースエーテルのことをいう。無臭の白色固体。セルロースに水酸化ナトリウム溶液を作用させて得たアルカリセルロースに、不均一のまま硫酸ジエチルクロロエタンなどのエチル化剤を反応させると得られる。

 エチルエーテル化される度合い(置換度)により性質の異なるものができる。置換度が大きくなるほど、有機溶媒に溶けやすくなる。耐水、耐光、耐薬品など安定性に優れているため、ヘルメット工具の柄(え)、ラッカーインクフィルムなどに用いられる。

[谷利陸平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android