日本大百科全書(ニッポニカ) 「センゲー」の意味・わかりやすい解説
センゲー
せんげー
Дашзэвэгийн Сэнгээ/Dashzevegiyn Sengee
(1916―1959)
モンゴルの詩人。モスクワのゴーリキー文学専門学校卒業。モンゴル作家協会の第一書記として尽力した。1935年より文筆活動に入ったが、彼の才能は第二次世界大戦中から戦後にわたって発揮された。『祖国』(1943)、『鳩(はと)』『野火の傍(かたわら)にて』『老パルチザンの話』(ともに1954)や『料理人』などの詩は有名である。このほか歌劇『真実』(1954)、小説『アヨシ』(1956)がある。戯曲『わが道を』はロドイダンバとの合作。『アヨシ』では、モンゴル人の優れた気概と行為、現代軍人像が鮮やかに描かれている。その作品の多くが、内容は祖国愛に満ち、叙述面で政治術語が多用されているのが特徴である。
[荒井伸一]