センベーヌ・ウスマン(その他表記)Sembene Ousmane

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「センベーヌ・ウスマン」の意味・わかりやすい解説

センベーヌ・ウスマン
Sembene Ousmane

[生]1923.1.1. フランス領西アフリカ,ジガンショルカザマンス
[没]2007.6.9. セネガル,ダカール
セネガルの作家,現代アフリカを代表する映画監督。フランス語で執筆。少年時代は故郷漁民の手伝いなどをしていたが,のちダカールに出て石工,機械工,修理工などをして生計を立てた。1939年には第2次世界大戦に歩兵としてフランス軍に加わり,イタリア,ドイツ,北アフリカで戦った。セネガルに帰り労働運動に参加したのち再度フランスに渡り,マルセイユで波止場労働者をしながら作品を書き始めた。港湾労働者の労働組合長としても活躍,アメリカ黒人の抵抗文学ソビエト連邦の社会主義小説の影響を強く受けた。その後,ソ連,中国,キューバなどを訪問。1961年モスクワのゴーリキー・スタジオで映画技術を学び,フランス語とウォロフ語での映画制作に監督として携わった。1983年セネガル・ペンクラブ会長。代表作に,小説『黒い沖仲仕』Le Docker noir(1956),『セネガルの息子』O Pays,mon beau peuple!(1957),『神の森の木々』Les Bouts de bois de Dieu(1960),『ハルマッタン』L'Harmattan(1964),『不能者』 Xala(1974),『帝国の最後の男』 Le Dernier de lempire(1981)。ウォロフ語による映画作品として『エミタイ』Emitai(1976),『チェド』Ceddo(1976)などが有名。ほかに『ボルタイック作品集』Voltaïques(1962)など。(→アフリカ文学

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