ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼルーアル」の意味・わかりやすい解説
ゼルーアル
Zeroual, Liamine
アルジェリアの政治家。大統領(在任 1994~99)。16歳でアルジェリア陸軍に入隊し,対仏独立闘争で戦った。1965年にソビエト連邦に渡って軍事教練を受け,帰国後砲兵隊隊長を経て国内主要軍管区 3地域の司令官を歴任,1989年陸軍参謀長に任命された。同 1989年にシャドリ・ベンジェジド大統領と対立して退役。1990~91年駐ルーマニア大使を務め,1993年に国防大臣に就任した。1994年最高国家評議会によって大統領に任命され,反政府の中心勢力で非合法政党のイスラム救国戦線 FISとの和平交渉に臨んだが不首尾に終わった。1995年11月,アルジェリア初の複数政党制による大統領選挙で圧勝。「和平と国民和解」を政策に掲げ,民主主義実現に向けて世俗政党とイスラム政党との対話路線を打ち出した。1996年ゼルーアル政権は憲法改正にこぎつけ,同年 11月に国民投票で承認された。また,イスラム過激派のテロによる国内危機を打開するため,1997年の議会選挙実施を約束した。1998年に健康上の理由で職を辞した。(→アルジェリア民族解放戦線)
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