知恵蔵 「ソニー不動産」の解説
ソニー不動産
東京都中央区銀座に本社を置き、資本金は2億5千万円、ソニー株式会社が100パーセントの株主。IT(情報技術)システムやコールセンターを導入することで、利便性の高い不動産サービスを提供していくとしている。また、公平性、合理性、専門性を追求し、お客様視点に立った新しい不動産総合サービススキームを導入し、高い顧客満足度を実現していくとのこと。営業開始から3年後には株式公開を目指し、5年後には売上高目標500億円を目指すという。
当事業は、株主であるソニー株式会社に設置された新規事業創出部の新規事業第1弾になる。新規事業創出部は、平井一夫社長が直轄し、社内から提案される新たな技術や商品、サービスについてのアイデアをスピーディーに事業化する専門組織だ。同部は今後3年で10以上の新事業を育てる計画であるとする。不動産事業進出は、新会社の西山和良代表取締役社長が本社経営企画担当部署にいた時のアイデアを具体化したものだという。
ソニー株式会社ではエレクトロニクス事業の不振が続く一方で、子会社の「ソニー銀行」や「ソニー生命」といった個人向け金融事業は好調な業績を維持している。不動産事業についても同様の期待が持たれているが、不動産業界は大手老舗(しにせ)のネットワークに強みがあるとされ、目標達成は難しいのではないかと危ぶむ声もある。
(金谷俊秀 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報