日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソロネッツ」の意味・わかりやすい解説
ソロネッツ
そろねっつ
solonets
内陸乾燥地域の排水不良地におけるソロンチャク化作用(塩類化作用)に続いておこる変化で、ソロネッツ化作用(アルカリ化作用)を受けた土壌。ソロンチャクの塩類集積物が溶脱され、ナトリウムが分解過程で一時的に水酸化ナトリウムとなるため、強アルカリ性を呈する。溶脱層の下部は激しい水分の移動によって垂直方向の割れ目ができ、特徴的な柱状構造を示す。pH9前後のアルカリとなり、アカザなどの特殊な草本しか生育できない。表層付近が腐植の集積による暗色を呈するので、アメリカではこの土壌をブラックアルカリ土とよぶ。ソロンチャクからソロネッツへの作用の移行は、盆地内の地形環境の変化による地下水位の低下、あるいは降水量の増加によっておこるものとみられる。
[浅海重夫]