日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイミル」の意味・わかりやすい解説
タイミル
たいみる
Таймыр/Taymïr
ロシア連邦クラスノヤルスク地方に属する自治管区。タイミル自治管区Таймырский автономный округ/Taymïrskiy avtonomnïy okrugという。構成民族名に基づきドルガノ・ネネツДолгано-Ненецкий а.о./Dolgano-Nenetskiy a.o.ともいう。1930年に創設されたが、77年までは民族管区といった。面積86万2100平方キロメートル。人口4万4000(1998)。行政中心地はドゥジンカ。人口2万4500(2003推計)。
東シベリアのクラスノヤルスク地方最北部(北極圏内)に位置し、北極海に面する。タイミル半島とセーベルナヤ・ゼムリャ諸島を含む。貧弱な植生のツンドラ(永久凍土帯)か、南部は森林ツンドラに覆われている。平均気温は1月零下30℃、7月2~13℃。年降水量は250ミリメートル。
1989年国勢調査による民族構成は、ロシア人(3万7438、67.1%)、ウクライナ人(4816、8.6%)、ドルガン人(4939、8.9%)、ネネツ人(2446、4.4%)などである。
おもな産業は、漁業、鉱業(多金属鉱、石炭、天然ガス)で、なかでも世界最大級のノリリスク・ニッケル鉱山は有名。トナカイ、毛皮獣、乳牛の飼育、毛皮獣狩猟も行われている。
[上野俊彦]