タコヒトデ(読み)たこひとで

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タコヒトデ」の意味・わかりやすい解説

タコヒトデ
たこひとで / 蛸海星
[学] Plazaster borealis

棘皮(きょくひ)動物門ヒトデ綱ヒトデ科に属する海産動物。体の中央部が丸い盤となり、そこから放射状タコの脚(あし)のような腕が20~40本伸び出たヒトデ。腕は切れて落ちやすいが、再生しやすく、再生腕は短小なので、腕の長さは全体として不ぞろいとなる。直径40センチメートル近くになる。体色は一様でなく、淡紫色赤色の斑(ふ)が混じり合う。二枚貝を食害する習性があり、水産業上の有害動物とされる。北海道と本州北部の沿岸部に分布する。

[重井陸夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タコヒトデ」の意味・わかりやすい解説

タコヒトデ
Plazaster borealis

棘皮動物門ヒトデ綱叉棘目ヒトデ科。丸い盤から 22~39本もの腕を出す大型のヒトデで,腕長は最高 21cmにもなる。腕の基部は細くなって盤に接続するので切れやすく,そのため再生中の短い腕が混っていることがある。赤みがかった薄紫色に薄い色の斑紋がある。表面は不規則な網目状になり,小棘が一様に分布している。本州北部から北海道の沿岸に分布し,貝類に害を与えることがある。

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