日本大百科全書(ニッポニカ) 「タチナタマメ」の意味・わかりやすい解説
タチナタマメ
たちなたまめ / 立鉈豆
立刀豆
[学] Canavalia ensiformis (L.) DC.
マメ科(APG分類:マメ科)の一年草。中央アメリカ、西インド諸島原産で、ヨウナタマメ(洋刀豆)ともいう。ナタマメに似るが、茎は半つる性で、高さ1~2メートルに立ち上がるのでタチナタマメの名がある。葉は互生し、3小葉からなる複葉で葉柄は長い。葉腋(ようえき)から花枝を出し、紅色から紫色の蝶形花(ちょうけいか)を総状花序に10~50個つける。果実は豆果(とうか)で、莢(さや)は長さ20~30センチメートル、幅2~2.5センチメートルとなり、8~20個の白色の種子がある。莢の形がジャックナイフに似ることからジャックビーンjack beanの名がある。若莢を漬物とする。完熟種子は有毒成分であるカナバリンcanavalineを含むので、2~3時間煮て除毒し、煮豆とする。緑肥や飼料としても栽培される。
[星川清親 2019年10月18日]