煮豆(読み)ニマメ

デジタル大辞泉 「煮豆」の意味・読み・例文・類語

に‐まめ【煮豆】

乾燥した豆を水でもどし、味付けして煮たもの。大豆ほかは甘くすることが多い。

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精選版 日本国語大辞典 「煮豆」の意味・読み・例文・類語

に‐まめ【煮豆】

  1. 〘 名詞 〙 大豆、黒豆などを砂糖、醤油(しょうゆ)その他調味料を使って煮しめた食品。現在では、多く甘い味付けだが、古くは塩味の強いものであった。座禅豆
    1. [初出の実例]「先御昆布、煮豆、次冷麺」(出典:十輪院内府記‐文明一六年(1484)五月一二日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「煮豆」の意味・わかりやすい解説

煮豆
にまめ

豆類を煮て調味したものの総称である。豆の種類はいろいろある。ダイズを煮たのをぶどう豆というが、関西では特別の煮方をして豆にまったくしわがなく色を黒く染めるのが特徴。黒豆はクロダイズを煮るのだが、丹波(たんば)地方の黒豆は昔から品質がよく、この地方では各戸でその家独自の煮方をするのを誇っており、市販品にも優秀なものが多い。黒豆は正月料理にかならず用いる。ソラマメは産地により種類も名称も違う。大阪では一寸(いっすん)豆、京都ではお多福豆、東京では古くからふき豆という。四国高松の郷土料理に有名なしょうゆ豆がある。干したソラマメを炒(い)って、熱いうちにしょうゆに漬け、煮あげたものである。ウズラマメササゲの一種で、表面にウズラの羽色に似た斑紋(はんもん)があり、これを煮て副菜にする。アズキは煮て甘味を加えるものが多い。代表的なのは甘納豆(あまなっとう)であり、煮たものはゆで小豆(あずき)という。白インゲンは煮て白色を保つために煮汁を数回かえる。豆類は煮る前にたっぷりと水につけてから煮るが、豆の種類により煮方が多少異なるものがある。煮豆類は含有するタンパク質炭水化物脂肪などそれぞれ相違があるが、いずれも消化のよい栄養食品である。

多田鉄之助


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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「煮豆」の解説

にまめ【煮豆】

豆をやわらかく煮た料理。大豆をしょうゆ味で煮たもの、金時豆(きんときまめ)などのいんげん豆やおたふく豆などのそら豆を甘く煮たものなどがある。普通、乾燥した豆を水に浸し、もどして用いる。

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世界大百科事典(旧版)内の煮豆の言及

【ダイズ(大豆)】より

…発酵加工によって,みそ,しょうゆ,納豆がつくられ,豆乳加工によって豆腐湯葉,さらに油揚げ,凍豆腐その他の二次加工品がつくられる。煮豆では,甘く煮たブドウ豆,ニンジン,ゴボウ,こんにゃくなどと甘辛く煮た五目豆,正月の祝膳に欠かせぬ黒豆などのほか,東京では味をつけずに柔らかく煮上げただけのものを〈みそ豆〉と呼び,カラシじょうゆをからめて朝食の菜にすることが多かった。いって粉にしたきな粉は菓子の材料として多用される。…

※「煮豆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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