タチバナ遺跡(読み)たちばないせき

日本歴史地名大系 「タチバナ遺跡」の解説

タチバナ遺跡
たちばないせき

[現在地名]十島村中之島

中之なかの島南東のななッ浜を見下ろす標高一六五メートル前後の緩傾斜面にある縄文時代晩期の遺跡。遺跡の所在する七ッ山周辺は現在琉球竹密林となっている。遺跡の発見は高尾たかお集落と七ッ浜を結ぶ村道建設工事中、切通し断面にのぞいた遺構(炉跡)が発見されたことに始まった。昭和五二年(一九七七)から熊本大学考古学研究室によって三年に及ぶ発掘調査が実施された。面積は約三〇〇平方メートルに達し、集落跡のほぼ四分の一ほどの姿が明らかにされた。発見された遺構には竪穴住居跡三〇軒・土坑一四基・炉跡一四基などがある。またこの集落から西側に約二〇メートル離れた場所に自然の湧水があり、両岸を大きな石で縁どりした流路の間には集落跡と同一の土器石器が採集されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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