タルグム(その他表記)targum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タルグム」の意味・わかりやすい解説

タルグム
targum

アラム語で「解釈」を意味し,ユダヤ教聖典 (旧約聖書) のアラム語訳をいう。バビロン捕囚頃よりユダヤ人のなかには聖典の言葉である古代へブライ語を解するものが少くなったため,会堂での祈祷に際して,会衆の理解のため祭司の読むへブライ語原典をアラム語に訳することが行われた。これは「口頭のタルグム」と呼ばれ,前2世紀頃からそれが書きとめられるにいたり,現在さまざまなタルグムが残っている。通訳者が祭司の読む一節一節を,具体的事例寓話を交えて翻訳したタルグムには,直訳ではなく敷延されたものもある。

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世界大百科事典(旧版)内のタルグムの言及

【聖書】より

…現存写本で最も古いものは後11世紀以後のものであるが,この本文の型が紀元前に由来することは〈死海写本〉断片で確かめられる。 その他のセム語系の古代語訳としては,アラム語訳とシリア語訳とがあるが,前者は,バビロン捕囚以後ユダヤ教会堂(シナゴーグ)においてヘブライ語聖書朗読後,1節ないし3節ごとに口頭でアラム語に翻訳される習慣に由来し,それを〈タルグムtargum〉(複数形タルグミーム,〈翻訳〉の意)と呼んだ。紀元前すでに書き記し始められ,逐語訳と敷衍(ふえん)訳とが並存した。…

※「タルグム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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