直訳(読み)チョクヤク

デジタル大辞泉 「直訳」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐やく【直訳】

[名](スル)外国語文章を、原文に忠実に一語一語をたどるように訳すこと。「英文直訳する」「直訳体」→意訳
[類語]訳出訳する翻訳適訳名訳抄訳和訳邦訳完訳全訳誤訳意訳逐語訳対訳重訳定訳新訳初訳改訳点訳翻案吹き替え

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精選版 日本国語大辞典 「直訳」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐やく【直訳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 外国語を、その音を漢字仮名を用いて表わすこと。
    1. [初出の実例]「飲食腸胃に入、其精気化して液汁と成る、此液汁漢語可当者無御座候、夫故直訳に仕、奇縷(ゲーン)と訳申候」(出典:和蘭医事問答(1770)下)
    2. 「訳有三等。一曰翻訳。二曰義訳。三曰直訳」(出典:解体新書(1774)自序)
  3. 外国語を、その字句語法に忠実に従って一語一語をたどるように翻訳すること。また、その訳したもの。逐語訳。⇔意訳
    1. [初出の実例]「婦人となって鳴返してゐた〈婦人の声でとすれば解りがよいかも知れませんが〈略〉余儀なく直訳に〉」(出典:めぐりあひ(1888‐89)〈二葉亭四迷訳〉一)

直訳の語誌

( 1 )挙例の「解体新書」にみえる「直訳」は、今日の「音訳」の意味で、例えば、「機里爾(キリイル)腺」などであるが、大槻玄沢「重訂解体新書」(一七九八)では、外国語の表わす意を日本語に当てることの意に用いる。
( 2 )「解体新書」にいう「翻訳」は日本語に対応する語があり、それに置き換えること、「義訳」は日本語に対応する語がなく、新たに造語して置き換えること、「直訳」は原語の音を漢字や仮名で表わすことである。

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普及版 字通 「直訳」の読み・字形・画数・意味

【直訳】ちよくやく

逐字訳

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