タンガー整流管(読み)たんがーせいりゅうかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タンガー整流管」の意味・わかりやすい解説

タンガー整流管
たんがーせいりゅうかん

整流用の電子管の一種。タンガーtungarとは、タングステンtungstenのtungとアルゴンargonのarからとったアメリカのゼネラル・エレクトリック社の商品名であったが、のち一般名となった。おもに低電圧大電流の整流管として用いられ、純粋のアルゴンを水銀柱約2~3センチメートルの圧力で封入し、陽極黒鉛陰極タングステン線を使用している。封入ガスは空間電荷を中和して管内電圧降下を小さくする。封入ガスの圧力を高くすると、ちょうどガス入り電球のように、陰極の蒸発消耗を防ぐことができる。その結果、陰極を高温度(絶対温度で2400~2800ケルビン)にしても寿命が長くなる。もっぱら蓄電池の充電に使用されているが、1980年代に入り、半導体による大電流の整流素子ダイオード)が開発され、この整流管の使用は少なくなっている。

[吹野 正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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