整流管(読み)セイリュウカン(その他表記)rectifier tube

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「整流管」の意味・わかりやすい解説

整流管
せいりゅうかん
rectifier tube

整流を目的とする真空管と熱陰極放電管。いずれも二極管構造で、陰極から放出する電子が、陽極が正電位の場合だけ電流として流れ、逆の場合は電流を流さないことを利用する。

 真空管による整流管は、陰極に直熱型と傍熱型とが使用され、高耐圧が要求されるときには、トリウム入りタングステンとか純タングステンの直熱型フィラメントが使用される。この整流管は受信機、送信機、X線装置などに用いられる。

 熱陰極放電管によるものは水銀蒸気とかアルゴンガスが封入され、封入ガスによる管内電圧降下により、効率よく大電流が得られるが、耐圧は一般に低い。低電圧大電流の整流には、それに適するようにとくに封入ガスの圧力を高くしたタンガー整流管が、高電圧大電流用には熱陰極水銀整流器が用いられる。

[岩田倫典]

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百科事典マイペディア 「整流管」の意味・わかりやすい解説

整流管【せいりゅうかん】

交流直流に変える働きをする電子管。交流用のラジオ受信機等に用いられる二極管には,陽極が1個の半波整流管と,陽極が2個の全波整流管がある。希ガスを封入したタンガー整流管,水銀蒸気を用いた高電圧電源用の熱陰極水銀整流管など。→整流整流器整流子

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「整流管」の意味・わかりやすい解説

整流管
せいりゅうかん
rectifier tube

交流から直流を得る (整流) ために用いられる電子管。検波や小電力 (低電圧,小電流) の整流には二極管,高電圧の整流にはケノトロン,大電流の整流には熱陰極水銀整流管および冷陰極水銀整流管などが用いられる。しかし最近ではシリコンなどを用いた半導体整流器にほとんど取って代られている。

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