タングステン合金(読み)タングステンごうきん(その他表記)tungsten(wolfram) alloy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タングステン合金」の意味・わかりやすい解説

タングステン合金
タングステンごうきん
tungsten(wolfram) alloy

タングステンを主成分とする合金総称。タングステンの使用が普及したのは 1909年 W.クーリッジのスエージング (打延ばし性タングステン製造法) 発明以後で,初め電球フィラメント,その後電気接点,アーク炉およびアーク溶接用特殊電極棒として広く使われている。現在最も重要な用途は耐熱鋼磁石鋼高速度鋼などの合金添加剤 (総生産の 90%) で,次は超硬合金主剤の炭化物 WC原料 (5%) である。したがって合金として量的に重要なのはタングステン 75~85%のフェロタングステン (→合金鉄 ) である。ほかにフィラメント用のトリエーテッドタングステン ( ThO2 0.8~2.1%) とタングステンモリブデン (W-Mo等量) ,および硬質工具用ジルタン合金 (W90~10%,ジルコニウム 10~90%) がある。金属の亜タングステン酸塩 MWO3 (Mは金属) はタングステンブロンズと呼ばれる半導体性化合物で脱水素触媒に使われ,また酸化物 WO3 とそれより低次の酸化物の固溶混合物はタングステンブルーという青色顔料である。

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