ターイフ合意(読み)ターイフごうい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ターイフ合意」の意味・わかりやすい解説

ターイフ合意
ターイフごうい

内戦状態にあるレバノンが 1989年9,10月にサウジアラビアターイフで開いた第 11国会で採択された「レバノン国民和解憲章」。レバノンの生存議員 73人中 62人 (キリスト教徒 31人,イスラム教徒 31人) が出席した。その合意によると,国会の議席数を 99から 108に増加し,キリスト教徒,イスラム教徒で 54議席づつに分け,マロン派大統領の権限を制限し,スンニー派首相の権限を拡大するというもので,宗派別統治機構の廃止を最終目標としているが,スンニー派を優遇することで,ドルーズ派シーア派を抑え,マロン派とスンニー派の連合を意図した。しかし,和解案に沿った形で選出されたムアワド大統領が就任直後に暗殺されたことにより,再び混乱の事態を迎えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

USスチール買収問題

日本製鉄は2023年12月、約141億ドル(約2兆2千億円)で米鉄鋼大手USスチールを完全子会社化する計画を発表した。国内の鉄鋼市場が先細る中、先進国最大の米国市場で、高級鋼材需要を取り込み、競争力...

USスチール買収問題の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android