ダイフウシノキ(その他表記)chaulmoogra tree
Hydnocarpus anthelmintica Pierre

改訂新版 世界大百科事典 「ダイフウシノキ」の意味・わかりやすい解説

ダイフウシノキ
chaulmoogra tree
Hydnocarpus anthelmintica Pierre

インドシナ方面に自生するイイギリ科の常緑高木で,種子をしぼって大風子油をとる。高さ20mに達する。葉は互生し,有柄で披針形,長さ10~30cm,革質で光沢があり,ふちに鋸歯はない。花は雌雄異株で腋生(えきせい)し,数個ずつ短穂上につく。萼片は5個,花弁は5枚,おしべまたは退化したおしべは5~8個で離生。子房は1室で3~5個の胎座があり,多数の胚珠をつける。果実は球形で径8~12cm,未熟果は外面褐色の軟毛を密生するが,熟すと果皮は木質化して表面はざらつく。種子は卵形で鈍稜があり,長さ約2cm,幅1cm,灰褐色ないし暗褐色で,パルプのような果肉中に40~90個存在する。インドシナやタイが原産で,中国南部やインドネシアでは栽植される。種子は約30%の油を含み,この油は古くからハンセン病の特効薬として,また梅毒やリウマチの薬としても用いられた。インド,マレーシアに近縁H.alcalae DC.やH.kurzii(King)Warb.があり,種子中の油にチャウルムーグリン酸が含有されていて,ハンセン病の治療薬として利用される。
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