デジタル大辞泉
「大風子油」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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だいふうし‐ゆ【大風子油】
- 〘 名詞 〙 大風子の種子から得られる脂肪油。新しいうちは無味無臭の白色軟膏状だが、やがて黄色くなって独得の臭気を発するようになる。かつてはハンセン病の治療に用いられたが、抗生物質の進歩により、最近はほとんど用いられていない。
- [初出の実例]「癩菌は肺結核菌に類する桿状菌で、大風子油(タイフウシユ)の注射によってそれが切れ切れになって亡びて行くものだといふことを」(出典:間木老人(1935)〈北条民雄〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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大風子油 (だいふうしゆ)
chaulmoogra oil
イイギリ科のダイフウシノキの種子を種皮を除き圧搾して得られる油脂。

これは,不飽和環状基を有する脂肪酸,すなわちヒドノカルピン酸hydnocarpic acid,チャウルムーグリン酸chaulmoogric acid,ゴルリン酸gorlic acidと,少量のパルミチン酸などの混合物のグリセリンエステルである。
種子の含油率38%,核55%。融点22~39℃,d430=0.946~0.952,屈折率nD20=1.4751~1.4771,ケン化価197~215,ヨウ素価85~105,[α]D30=+43.5~+51.2。不乾性油である。長時間光にさらすと変化するので,遮光した気密容器に蓄える。耐酸性癩菌の生長を阻害する作用がある。
→ダイフウシノキ
執筆者:内田 安三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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大風子油【だいふうしゆ】
東南アジア原産イイギリ科植物の種子(大風子)からとれる脂肪油。黄〜黄褐色の液体,刺激味,特異臭。かつてハンセン病の治療剤として用いた。主成分はチョールムグラ酸とヒドノカルプス酸のグリセリンエステル。
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大風子油
だいふうしゆ
hydnocarpus oil
ダイフウシの種子を圧搾してとるバター状油。黄色ないし黄褐色の特異臭をもち,融点 22~39℃。古来ハンセン病の特効薬として用いられてきたが,プロミンによって取って代られた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の大風子油の言及
【ダイフウシノキ】より
…インドシナ方面に自生するイイギリ科の常緑高木で,種子をしぼって[大風子油]をとる。高さ20mに達する。…
※「大風子油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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