ダンプトラック(読み)だんぷとらっく(その他表記)dump truck

翻訳|dump truck

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダンプトラック」の意味・わかりやすい解説

ダンプトラック
だんぷとらっく
dump truck

荷台を傾けたり、荷台の底を開いて積み荷を一度に降ろせるように装置した運搬用自動車。土砂砂利砕石鉱石、建設資材などの運搬に広く使用されている。普通のトラックシャシーに荷台、荷台傾斜装置、油圧装置を装着し、一般公道上を走行できる普通ダンプトラックと、ダム工事などに使用する重ダンプトラックとに大別される。重ダンプトラックはオフロードダンプトラックまたは専用ダンプトラックともよばれ、公道外走行で大量の土砂や大きな岩石を運搬する重作業に使われるもので、100トン積み以上の大型機種もある。また、ダンプトラックを、荷台をダンプする方向によって分けると、リヤダンプ(後方)、サイドダンプ(左右方向)、三転ダンプ(三方)、ボトムダンプ(下方底開き)、リフトダンプ(荷台を持ち上げて後方または左右方向)などがある。

 ダンプカーとも俗称されるが、これは和製語である。英語のdump carは鉄道貨車の一種をさす。

河野 彰・清水 仁・鴫谷 孝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダンプトラック」の意味・わかりやすい解説

ダンプトラック
dump truck

ダンプカー,チップカーともいう。荷台が横または後方へ傾き,貨物を一時にすばやくおろすことのできる貨物自動車特別装備車の一種。土,砂利,岩石などの運搬に用い,小型のものから重作業用の大型のものまで各種ある。荷台の駆動は,一般にエンジン動力で作動する油圧シリンダが使われ,運転席で操作する。

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百科事典マイペディア 「ダンプトラック」の意味・わかりやすい解説

ダンプトラック

ダンプカー

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世界大百科事典(旧版)内のダンプトラックの言及

【建設機械】より

…内燃機関の利用は,20世紀に入って,アメリカでガソリンエンジンがキャタピラ式トラクターに導入されたのに始まるが,その後,ディーゼルエンジンがこれに代わり,掘削機,トラクターおよびグレーダーの動力源として重土工作業を飛躍的に発展させた。また,ゴムタイヤの発達により,ダンプトラック,ワゴンおよびモータースクレーパーなどが出現し,土砂の高速運搬が可能となった。とくに第2次世界大戦中,アメリカでは太平洋の島での飛行場建設などに関連して,ディーゼルエンジンを搭載した大型ブルドーザー,大型ダンプトラック,パワーショベルなどの大型建設機械が開発されたが,これら大型建設機械を用いた施工技術は,戦後における大ダム建設,高速道路建設などの基礎となったものである。…

【ダンプカー】より

…【西松 裕一】(2)貨物自動車のうち,土砂,砂利,岩石などの運搬に使用し,油圧動力によって荷台を傾斜させて荷降ろしをするもの。正しくはダンプトラックdump truckという。荷台を後方に傾斜させるリアダンプトラックおよび側方に傾斜させるサイドダンプトラックが一般的であるが,そのほか,荷台の底が開き,乾いた砂,石炭などを層状にまき出したりホッパー下方に投入するボトムダンプトラック,荷台を持ち上げて後方左右に荷降ろしするリフトダンプトラックなどがある。…

【トラック】より

… 以上がJISによる分類であるが,このほかにも種々分類することができ,例えば荷台形式によって分ければ,荷台の周囲の側板(あおり板)が両側面および後方に開閉できる三方開き型,荷台後部のあおり板のみが開閉できる一方開き型,あおり板がなく長尺重量物などの運搬に適するプラットホーム型などがある。また,油圧により荷台全体を傾斜させることができるものはダンプトラック(いわゆるダンプカー)という。石油,薬品などの液体を大量輸送するための専用のタンクをもつトラックは,タンクローリー車と呼ばれ,これには安全上の種々の規制が設けられている。…

※「ダンプトラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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