高エネルギーの粒子や放射光子が,水などの透明な液体やガラスのブロックをつめた容器に入射するようになっており,容器の内壁には銀を蒸着したり,白い塗料を塗ったりして,容器内で発生した光をすべて検出用光電子増倍管の陰極に向かって反射させて出力パルスを数える.構造的には,シンチレーション計数管に似ているが,取り扱うせん光は,一般にチェレンコフ計数管のほうがずっと微弱である.用途はいろいろあるが,宇宙線中のメソン(中間子)や種々の高エネルギー荷電粒子や光子の研究に使用されている.通常,1個の粒子からの光パルスの持続時間は 10-9 s なので,この計数管の分解能が並はずれて短いという特性を利用することができる.すなわち,媒質中のチェレンコフ放射の発生は,荷電粒子の速度が媒質中における光の速度より速い場合に限られているので,その速度(またはエネルギー)がある値を超えるときにのみ記録されるようなしきい値検出器として使用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…媒質のnが知られていればθを測ることによって粒子速度を決めることができる。この放射を利用した荷電粒子検出器をチェレンコフ計数管(チェレンコフ・カウンター)と呼ぶ。チェレンコフ放射は高速荷電粒子の作るポテンシャル中での媒質からの光放出であり,制動放射やシンクロトロン放射とは原理的にまったく異なる放射である。…
※「チェレンコフ計数管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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